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この土地に越してきて色々お年寄りと話す機会が多くなり、昔ってこの辺はそんなだったんだ~ってな話も多く、せっかくだから思い返しながら綴っていこうかと。

今日はKのおばちゃんとのお話。


kのおばちゃんは結婚するときに相手の顔も知らぬまま嫁いできたそうな。旦那さんは遠い親戚だが、いい歳の頃まで縁がなく、どうしたものかというときにkのおばちゃんに白羽の矢がたった。

「あのとき、少しでも嫌といえば違った人生があったと思うよ。どうしてこんな貧乏な家に来てしまったのか、ほんとうに働いても働いてもちぃーっとも楽にはならなかった」

遠くを見ながら一言一言かみしめるようにkのおばちゃんは話す。

「実家にいた時には。柿があって、栗があって、筍も、山菜も、なんでも食べるものがあってねえ。実家の周りの土はブドウが良くできて、昔はこう棚を作ってやったらよくなって、ワインを作る業者が良い値で買っていったもんだよお」

生食用じゃなくてワイン用なの?と聞くと、そおだよぉっと頬を緩ませる。

「それに比べてほんとう、なんでこんなところに来てしまったのかと思うよ…。ただ貧乏なだけならいいけど、人が良く訪ねて来るものだから、おっかさまはヤドミソキソンだと言ってしぶっていたねえ」

ヤドミソキソン?

「そう、ヤドミソキソン。宿になるような家はお客さんに漬物を出すから味噌が損。お茶を出すにも昔はかまどで火を焚かなきゃならないから木が損。だから宿味噌木損」

へえ、それでもお客さんが来ることで得することもあったでしょう?

「いーや、なんもないよぉ」

そう言いながらもkのおばちゃんはへっへっへと楽しそうに笑った。
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